研究助成実践事例 2018-02 : research grant report 2018-02

日教弘教育賞 受賞論文 ■本文PDF
1所属校長野県長野市立南部小学校
2役職教諭
3氏名林 康成
4研究主題理科問題解決学習での個人実験における協働的な学び
5研究副題-小学校理科第3学年単元「風とゴムのはたらき」の授業実践より-
6研究の要旨 本研究は,学習指導の改善を行うことで資質・能力を育む主体的・対話的な問題解決学習を推進するため,三点の視点を決め出し,授業実践を行い検証した。
1. 資質・能力を育むための主体的な問題解決となるように,直接体験を重視するとともに,子どもが,自らの考えとの矛盾や個々のとらえの違いから生まれた疑問を基軸に据えて,探究する場を位置づける。
2. 従来の学習場面における課題を解決するような教材を開発し,効果的に活用する場を位置づける。
3. 対話的な学びとして,子ども達が友と互いの考えや活動を共有する協働的な学びの場を位置づける。その際,子ども同士が互いに見合い,協力して活動し教え合い聞き合うための関わり合いを可視化と称される支援を行う。

 そして,授業実践より,以下のような研究の成果を得ることができた。

1. について,体験的な活動は,理科で学んだ知識を身近な生活での事象とつなげて考えたり,疑問を解決しようとしたりする子どもの姿が現れることが示唆された。
2. について,従来の課題を教材の開発は,子どもの学びをより促進させることにつながることが示唆された。
3. について,1人1台の実験器具を使い,それぞれの実験結果を出す個人実験においても子ども達が明確な目的(クラス全員で測定した結果をグラフにする)をもっていれば,友との関わり合いの中で,互いに見合い,聞き合う協働的な学びは行えることが示唆された。

 また,教師が子どもの活動の様子を意図的に大きな声で可視化して広めたことは,互いの様子を見合うことにつながり,新たな視点に気づくことができ,協働的な学びの場において,教師による可視化は有効な支援であることが示唆された。