研究助成実践事例 2020-01 : research grant report 2019-01
【学校部門】優秀賞 ■本文PDF | ||
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1 | 所属校 | 長野県栄村立栄小学校 |
2 | 役職 | 校長 |
3 | 氏名 | 日台 智子 |
4 | 研究主題 | 中山間地校および小規模校におけるICT活用の授業改善に向けて |
5 | 研究副題 | ~遠隔学習とタブレット活用に視点をあてて~ |
6 | 研究の要旨 | 昨年度政府から発表のあった「GIGAスクール構想」は,これからの学校でICT環境を前進させる上で画期的な発表であった。そのための予算措置も2318億円計上するとのことで本気度がうかがえた。折しも全世界を取り巻くコロナ禍において遠隔での学習や仕事のニーズはここ半年間で飛躍的に増加している。 学校現場において今までは、ICT環境に慣れることや使うことがともすれば目的としてとらえがちであり、教師もそのための研修を行い、子どもたちに使えるように、慣れるようにといった指導が中心だったと思われるが、今後はそうしたこと以上にICT機器はあくまでツールとしての位置づけを持たせた上で、どのように子どもたちの学習に有益であり、子どもたちの学びやそのための授業改善への変化を後押しできるかが大きな鍵になると予想している。 本校では3年前に長野県教育委員会が立ち上げた「中山間地域の新たな学びの創造事業」の実践研究校として本校で必要とされるべきICT活用のあり方と共に、子どもたちの育ちや学びにとってのICT活用を遠隔学習やタブレット利用を中心に模索することにした。指定校だからこそできる研究ではなく、どの学校でも実践可能な研究であり、時代のニーズに即し、個々の子どもにとっての変化や学びおよび育ちの様子もとらえながら研究を推進したいと考えた。 ICT活用による子どもたちの表現力や相手意識の変化、またタブレット活用による子どもの学びのスタイルの変化やスマホ時代の子どもの特徴、そしてビブリオバトルによる複数校での関わりによって生じた表現力や幅広いものの見方や考え方への変化など多くの変化と成果がもたらされた。単なるつなぐという感覚や発表するという感覚から「関わり方」という部分において深みが増してきたと考えられる。 遠隔学習を複数校で行うことの難しさや課題も感じつつ、それらをどのように乗り越え、新たな学びにつなげていったのか、そこが実践校としては大きな成果にもつながった。 中山間地校、小規模校の児童にとって苦手な分野である表現力や幅広い見方・考え方、相手意識などに変革をもたらすきっかけとなった。ICT活用とタブレットの有効性について中山間地校や小規模校の参考になるだけでなく、それ以外の学校にも全国的に発信していける実践だと確信している。 |